「シンデレラ」の振付は、元ボリショイバレエ団のプリマバレリ−ナで日本にバレエ学校を誕生させたスラミフ・メッセレル。
1981年メッセレルは「ラ・バヤデール」を谷桃子バレエ団のために再振付、日本での全幕初演となりました。谷桃子バレエ団はクラシックバレエ以外の新しい舞台にも挑みました。
スウェーデンバレエ界の巨匠で世界的にも著名なビルギット・クルベリを招き、代表作である「ロメオとジュリエット」「令嬢ジュリー」の日本での初演を成功させました。
幼少時現代舞踊出身でもある谷桃子は、舞踊の創作についても大きな関心と期待を持ち、1970年から本公演の他にバレエ団員の創作による「アトリエ公演」を創設、14回の公演を行い
1998年には本公演としてトーマス・ハーディ原作、望月則彦振付「テス」を、2003年には「レ・ミゼラブル」を発表、バレエ団の上演レパートリーとなりました。
2003年からは創作小ホール公演クリエイティブ・パフォーマンスもスタートしました。このような多様な公演を経て、団員たちは豊かな表現力を身につけてゆきます。
なかには振付家の道を選んだ団員も何人か生まれました。
谷桃子バレエ団は、クラシックバレエを中心にさらに現代社会のなかでのバレエの舞台の可能性を、新しい感性の模索とともに飽くことなく追い続けています。
(橋本 潔:舞台美術家)